獨協医科大学埼玉医療センターは、地域の中核病院として現在は内科系11診療科・外科系18診療科の体制で運営しています。かねてより、当社の医用画像表示モニター(以下、医用モニター)とネットワーク品質管理ソフトウェアを運用していただいておりましたが、今回新規に読影室等に「i3 シリーズ」の300万画素21.3型カラーモニターCL-S300を追加導入されました。導入の背景、システム、効果について獨協医科大学埼玉医療センター放射線部 主任の諏訪和明氏に伺いました。
Q JVCのモニターを選定していただいた理由について教えてください。
A 一番の決め手は品質とサポート面ではないでしょうか。2006年より利用していますが、故障等のトラブルはほとんどなく、技術的な依頼についても迅速に対応いただいており大変助かっています。画質については、放射線科医がさまざまなメーカーのモニターを見比べましたが、JVCのモニターは他社の製品と比べて見やすくて目があまり疲れないと好評でした。また、新棟が完成してモニターの台数が増えたので、表示精度を一元管理できるネットワーク品質管理ソフトウェア「PM Medivisor」がラインアップされている事が最大の決め手となりました。
Q 現在のモニターの運用状況について、病院内のどのような場所・用途で使用していますか︖
A 今回は読影室、一般撮影室、医局向けとして導入させていただきました。また前回、電子カルテ向けとして診察室や病棟にも導入しましたので、総台数としては100 台以上のJVCモニターを利用しています。
300万画素21.3型カラー液晶モニターCL-S300 8台を読影室、医局、撮影室向けに追加導入。その他、読影室、医局、診察室、病棟で利用している当社医用モニター100台を含め、ネットワーク品質管理ソフトウェアPM Medivisorで一元管理・運用中。
CL-S300の特長
PM Medivisorの特長
Q 読影には、どのようなモニターを使うべきだと思いますか?
A 医用モニターであることはもちろんですが、加えて画質とコントラストが高いことですね。今回導入したCL-S300は、コントラスト比が従来のモニターから大幅に向上し(従来モニターコントラスト比900:1→CL-S300コントラスト比1500:1)、非常に見やすくなりました。輝度だけが高くても眩しくて見づらいので、輝度とコントラスト比が高いモニターということを採用のポイントに置いています。
Q 今回の導入ではモノクロモニターからカラーモニター(CL-S300)に入れ替えていただきました。どのような変化がありましたか?
A 今まではカラーモニターが1セットしか配置されていなかったため、カラー画像の読影が一人に集中していましたが、今回複数セット導入したことにより、多くの先生たちがカラー画像であるCTの3D画像や内視鏡やRIを読影できるようになりました。確定診断する上で、CTやMR、一般撮影の画像情報だけでなく、他のさまざまな因子も見るので、カラーモニターにしたメリットは大きいと思います。モニターをモノクロからカラーに変更してもモノクロ画像の見え方が変わることがなく読影できています。
Q 病院内のモニターを一元管理するネットワーク品質管理ソフトウェア「PM Medivisor」をご利用頂いていますが、感想をお聞かせください。
A 非常に良いですね。100台以上のモニターの稼働時間や最大輝度、階調特性までリアルタイムに状況を確認できるので、利用する我々にとっては負担が大幅に軽減されます。個々のモニターで行った受入試験・定期試験などの精度管理のデータも集中管理できますし、また気軽にモニターの状態確認が行えることで、モニターの精度管理や品位維持に対する意識を高めることができました。「PM Medivisor」を使って日々のチェックをするのは当然ですが、不変性試験を1年以内に実施しないといけません。当院はモニターが100台以上あるので、どの時期に何をやるか年間計画で出せるようにしていきたいと思っています。「PM Medivisorr」では不変性試験の実施実績を参照できるので、年間計画を立てる上でも「PM Medivisor」の機能を更に活用していきたいです。
Q JVCモニターの品質はいかがですか?
A JVCのモニターは本当に品質が良く、故障がほとんどないので助かります。我々機器を取り扱う中で一番困るのは故障やトラブルです。CTなど機器の撮影中や撮影後の読影中に故障してしまうと作業が大幅に遅延してしまうことになりますが、私の知る限りでは大きなトラブルや故障は経験していないですね。JVCモニターは品質面においても優れていると思います。
Q 今後、医用モニターに求めるものや課題はありますか?
A 私は医用モニターの表示特性を統一することが課題だと考えています。例えば、内視鏡装置や超音波診断装置は階調(ガンマ)などの表示特性についてガイドラインで決められていません。またアンギオや透視装置に接続されているモニターはガンマ2.2に調整されています。前者や後者の装置で撮影された画像を読影端末に接続されたモニターで見ると見え方が違うというトラブルがよく起きるのです。放射線技師という立場では、撮影装置(上流)から読影端末に接続されるモニター(下流)をDICOM GSDFで調整し、表示特性を統一してほしいと思います。モニターメーカーだけの問題ではなく業界全体の協力が必要ですが、カラー画像についても是非ガイドラインで色温度や階調特性について標準化を進め、あらゆる場面、あらゆる施設でも共通した見え方になるようにしてほしいです。CL-S300には、モノクロはDICOM GSDF、カラー画像はガンマ2.2に表示できるダイナミックガンマ機能が搭載されているので、このあたりも今後利用して効果について確認したいと思います。
埼玉県越谷市にある獨協医科大学埼玉医療センターは、現在許可病床は923床となり、内科系11・外科系18の診療科を持つ埼玉県東部地区における最大規模の病院として診療を行っております。2018年に22の手術室を擁する411床の新棟(4号館)が順調に稼働し、手術件数も年間11,000件に迫る大きな数を実施することができ外科系診療科を中心にさらなる医療の充実を図っています。
学校法人獨協学園 獨協医科大学埼玉医療センター
〒343-8555 埼玉県越谷市南越谷2-1-50
TEL: 048-965-1111(代表)
http://www.dokkyomed.ac.jp/hosp-k.html