鳥取大学医学部附属病院は、特定機能病院として高度先進的な医療を提供し、災害拠点病院に指定されるなど地域医療の中核を担っています。2003年からJVC(当時:TOTOKUブランド)のモニターを継続して利用されている同病院では、2020年1月に当社の医用画像表示モニター”i3シリーズ”の200万画素21.3型カラーモニターCL-S200と300万画素21.3型カラーモニターCL-S300 合計275台をリプレイス導入されました。今回、放射線部 診療放射線技師長の山下栄二郎氏に導入の背景、および導入後の状況についてお話を伺いました。
今回JVCのモニターを導入したのは、長年の信頼からです。当院では、2003年の病院情報システム導入時よりJVC(当時:TOTOKU)モニターを利用していますが、トラブルがほとんど無く、技術的なサポートも迅速に対応してもらえるので満足しています。また、キャリブレーションをはじめとする精度管理が適切で、輝度の低下を感じません。
現在、モニター全台を、病院内の撮影室や、読影室、診察室をはじめ、画像診断が必要な診療科に点在させています。メインの用途は読影ですが、検像にも使用しています。検像とは、放射線技師が一般撮影やMRI、CTといった画像を撮影した後に画像が正しく撮影できているかを確認する作業です。汎用のITモニターではやはり詳細な部分を確認できないため、JVCの高精細医用画像表示モニターを導入しており、画質にも満足しています。
200万画素21.3型カラーモニターCL-S200 214台と300万画素 21.3 型カラー液晶モニターCL-S300 61台を導入。全275台のモニターのうち、2面構成46式(CL-S200 32式、CL-S300 14式)にデュアルスタンドを採用。その他、以前から院内で使用している当社の医用画像表示モニターとあわせてネットワーク品質管理ソフトウェアPM Medivisorで一元管理・運用中。
今回、効果的な比較読影環境を構築するために、二面一体のデュアルスタンドを採用するように選定しました。やはりモニター1面に画面を分割させるより、二面を使ってそれぞれの画面に画像を大きく表示するほうが、視認性が高くなります。モニター2面ですと、同じ環境で画像を比較できるので、大変有用性が高いです。さらに、CTやMRIといった多数の断面を撮影した画像は、過去と現在の比較のみならず、断層の前後関係も把握しなければなりません。
また、JVCのモニターでは、マンモグラフィなどの乳房撮影画像をはじめ、高精細な画像を全画面表示させても全くぼけることがありません。むしろ、全画面表示してみたほうが、視認性が高くなると実感しています。
デュアルスタンドは、台座がスリム化しているので、通常のモニターを2台置くより、作業スペースが広がりました。また、2面を使って比較読影をするにあたって、2つの画面を一度に動かせるので位置が合わせやすく、効率的です。
“i3シリーズ”モニター自体の新デザインも好ましいです。ベゼルと液晶の間で奥行きを感じず、フィルムに近い感覚で読影できるので高く評価できます。
モニターを選定する基準として、表示特性の個体差が少ないことを重視しています。技師が様々な装置で撮影した時、装置に搭載されたモニター、検像端末、読影端末、各システムのモニターに異なる特性を持っていると、検像時と読影時でしばしば画像の見え方に違いが出てしまいます。それぞれが食い違ってしまった場合、どのモニターの見え方に合わせて画像を調整するかが厄介な課題となります。そのため、モニターによって特性に違いが無いよう注意して選定します。JVCのモニターは、見え方に個体差を感じません。信頼性の理由のひとつとなっています。
モニターの表示品質を維持するため、精度管理ソフトウェア「QA Medivisor Agent」のスケジューリング機能を導入し、毎朝決まった時間の目視試験を欠かさないよう設定しています。また、院内に点在する約400台のモニターには使用頻度が高いものと低いものがあるので、使用時間などを一元管理できるネットワーク品質管理ソフトウェア「PM Medivisor」には高い必要性を感じています。
鳥取大学医学部附属病院は、鳥取県米子市における特定機能病院として高度先進的な医療を提供し続けています。低侵襲治療を追求するとともに、診療科や職種を横断するチーム医療体制を構築し、最先端医療の導入に積極的に取り組んでいます。2018年からは鳥取県ドクターヘリの基地病院となり、広域救急医療体制の充実につながっています。市内の病院や医療・介護・福祉サービス関係機関との連携を進め、地域とつながるトップブランド病院を目指し、診療と医学教育、研究に日々邁進しています。