一般に"医療用モニター(ディスプレイ)"や"読影用モニター"などと呼ばれることが多い「医用画像表示用モニター」(以下、医用モニターと略)ですが、医用モニターを購入する際、何を基準にどのように選べば良いのでしょうか。また価格はどれくらいなのでしょうか。
さまざまな種類がある医用モニターの各機種の違い、選び方やポイントを紹介します。
医用モニターを選ぶ際の最も重要なポイントは、読影する画像が「何の撮影機器(モダリティ)によって撮影された画像か」です。撮影機器(モダリティ)に適していない解像度のモニターで読影すると、見落としなどにつながりかねません。
また、「ワイドモニター or スクエアモニターどちらが自分の読影スタイルに適しているか」もポイントとなります。自分の読影スタイルや環境に合った医用モニターを選択し、ストレスの軽減や読影ワークフローの効率化を目指しましょう。
モニターを選ぶ際に最も重要な判断基準となるのが、読影する画像が「何の撮影機器(モダリティ)によって撮影された画像か」です。
日本では撮影機器(モダリティ)別に使用すべきモニターの種類が明確には定義されていません。しかし、撮影機器(Angio/RI・CT/MRI・単純X線・マンモグラフィ等)によって画像の解像度が違うため、撮影機器(モダリティ)の種類および解像度を基準にモニターが選択されているのが実情です。また様々なガイドラインや規格にて、各撮影機器(モダリティ)に必要な解像度や輝度が規定または推奨されているため、そのあたりもモニター選びの際に考慮すべき点です。
撮影機器(モダリティ)の種類 | Angio/RI | CT/MRI | 単純X線 | マンモグラフィ |
---|---|---|---|---|
撮影解像度 ※右記数値は代表的な数値です。 |
1024x1024 |
512x512~1024x1024 |
1760x2150 |
1914x2294~2560x3328 |
考慮すべきガイドライン及び規格 |
・JESRA X-0093*B-2017(一般社団法人日本画像医療システム工業会(JIRA)) |
・JESRA X-0093*B-2017(一般社団法人日本画像医療システム工業会(JIRA)) |
・JESRA X-0093*B-2017(一般社団法人日本画像医療システム工業会(JIRA)) ・「デジタル画像の取り扱いに関するガイドライン3.0版」(公益社団法人日本医学放射線学会(JRS)):輝度350cd/m2 ・じん肺標準エックス線写真集フィルム版及び電子媒体版の取扱いについて2011(厚労省):解像度3Mピクセル以上、300cd/m2以上 |
・JESRA X-0093*B-2017(一般社団法人日本画像医療システム工業会(JIRA)) ・「ソフトコピー施設画像評価の必須事項」(日本乳がん検診精度管理中央機構):輝度500cd/m2以上、解像度2560x2048、2面(1面の場合はモニター2面と同等の解像度) |
おすすめモニター1 |
2Mモニターであればメニュー・操作アイコンを表示しても、1024×1024の画像を縮退することなく表示可能 |
2Mモニターであればメニュー・操作アイコンを表示しても、512×512の画像を縮退することなく4枚まで表示可能 3Mモニターであれば12枚まで表示可能 |
3Mモニターであれば多少縮退するが1760×2150の画像がほぼ1:1での表示可能 |
マンモグラフィ画像診断では大部分が5Mモニター |
おすすめモニター2 |
8Mワイドモニターであれば、1024×1024の画像を縮退することなく6枚表示可能 |
8Mワイドモニター、6Mワイドモニターであれば、1024x1024の画像を縮退することなく6枚表示可能 |
6Mワイドモニターであれば3Mモニター2面分の表示が可能 |
12Mワイドモニターであれば5Mモニター2面分の表示が可能 |
撮影機器(モダリティ)の種類・解像度の条件に加え、自分の読影スタイルに合ったサイズのモニターを選択することも、読影ワークフローを効率化する上で重要です。
医用モニターのサイズの種類は、大きく分けて「ワイドモニター」と「スクエアモニター」の2種類あります。
従来は比読読影をするためにスクエアモニター2面で利用されるケースが多かったですが、現在は省スペースで作業効率化に便利なワイドモニターが断然おすすめです。
病院、クリニック、読影施設、自宅などあらゆるシーンを思い浮かべながら、モニターの台数、配置といった個々の読影スタイルを考慮して選ぶことがコツです。
こんな人はワイドモニターがおすすめ! |
こんな人はスクエアモニターがおすすめ! |
|
---|---|---|
あなたはどのような読影スタイル? |
☑比較読影を行う ワイドモニターなら従来スクエアモニター2面に存在していた真ん中のベゼルがないため、比較読影で2つの画像を見比べる際、左右の視線移動の負荷を軽減できます。長時間にわたり高頻度で比較読影をする方におすすめです。
また、モニター2台を並べた場合と比較しスタンドベースの専有面積を1/2に削減できるので、机上スペースが狭くて困っている方や省スペース化してスペースを有効活用したい方にもおすすめです。
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☑今までの2面表示の方が見やすい 2つの比較画像を2つの領域でしっかりと分けた状態で比較読影したい、今までと同じ2面表示で読影したい方には、スクエアモニターがおすすめです。
その際、スクエアモニター2面を1本のスタンドで一体化したDualstandモデルがおすすめです。左右それぞれの画面をユーザーが最も見やすい角度に調整できるだけでなく、省スペース化にもなります。
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☑CTの2D画像だけでなくVR、MIP画像などを並べて見たい ワイドモニターなら真正面にメインの画像を大きく表示・操作しつつ、同画面内で他画像やウィンドウを表示・操作することも可能です。 2つの画面にまたがることなく、1つの大きな画面内で様々な種類の画像表示と操作が完結するため、情報表示量・操作量が多い読影スタイルの方におすすめです。
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☑省スペースの作業環境で読影したい 自宅やクリニックなど、机上スペースが限られておりモニターが1台しか置けない場合に、スクエアモニター1台なら占有面積が少なくてすむのでおすすめです。
ノートPCと接続して使用する方は、特にUSB Type-C対応の最新モデルがおすすめです。ケーブル1本でノートPC充電と映像伝送を同時に可能なため、配線をすっきりとし快適な作業スペースを提供します。
複数のワークステーションでそれぞれモニター・キーボード・マウスを用意して使用している場合、2系統入力対応・KVMスイッチ搭載モデルがおすすめです。1台のキーボードとマウスで複数のワークステーションの切替と操作が簡単にできるので、作業効率向上と更なる省スペース化が可能です。
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☑自分に合ったウィンドウレイアウトで作業したい ワイドモニターなら広い画面領域を活かして様々な種類の医用画像を自分好みのレイアウトで表示することができます。医用画像と電子カルテ・AI解析結果などといった同時表示にも最適です。自分に合ったウィンドウレイアウトでスムーズに作業を進めたい方におすすめです。
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☑アーム等に設置して作業をしたい アームや壁掛けでモニターを設置して読影したい場合に、スクエアモニターの方がワイドモニターに比べて軽いためおすすめです。
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主に、PACS(画像ビューワー)メーカーもしくは商社から購入するか、メーカー(JVC)直で購入するかの2パターンがあります。
モニターを含め「汎用画像診断装置ワークステーション」として購入される場合は、PACS(ビューワ)メーカーにお問い合わせ下さい。
メーカー直で購入される場合は、webサイトなどからご購入・お問い合わせ・お見積もり依頼が可能です。
また価格について、「医用モニターとは?一般的なPCモニターとの違いと求められる性能」で解説したように、医用モニターは医療機関においても安心して使用できるように、高い表示性能と表示品質の維持・管理機能に加え、さまざまな安全規格に対応していることもあり、一般PCモニターと比較して価格も高額になります。
JVCの医用モニターの各機種別の価格については、JVCケンウッド公式オンラインストアにてご確認いただけます。
CL-R813
800万画素32型カラー液晶モニター
大画面が生み出す没入感、スリムデザインで省スペース化を実現。
コストパフォーマンスと実用性を追求した高解像度ワイドエントリーモデル
CL-S600
600万画素30型カラー液晶モニター
300万画素モニター2台分の解像度を1台で表示可能なマルチモダリティ対応ワイドカラーモニター
購入するMS-S300
300万画素 21.3型モノクローム液晶モニター
モノクロ撮影画像を忠実に再現。高輝度化によりキャリブレーション輝度 1,000cd/㎡に対応。
購入するCL-S300
300万画素 21.3型カラー液晶モニター
モノクロ撮影画像の忠実な再現とマルチモダリティ診断環境の構築を両立
購入するMS-S200
200万画素21.3型モノクローム液晶モニター
従来機を上回るコントラスト比1800:1を実現。高精度なグレースケール表示に対応
購入するCL-S200
200万画素 21.3型カラー液晶モニター
モノクロ撮影画像の忠実な再現とマルチモダリティ診断環境の構築を両立
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