行楽シーズンにむけて、自動車に寝泊まりして旅する「車中泊」の準備をしたいという方も多いのでは? そうした方は、今から車中泊を前提としたアイテムを、揃えていきたいですよね。
そんなアイテムの中でも、いま注目度が高まっているのが「ポータブル電源」です。大出力だから、より普段の生活で使っている家電製品が使える可能性が高く、駆動音が静かで排気も無いため、自動車内でも快適安全に使える点が注目されるポイントです。
そこで今回は、JVCのポータブル電源「BN-RB10」を使って、どれだけの家電製品が使えるのかを、実際の車中泊に出かける前に、自宅で試してみることにしました。
「BN-RB10」は、AC定格1,000W(瞬間最大2,000W)もの出力を実現したポータブル電源です。1,002Whの大容量を備え、12WのLEDライトなら約63時間の使用が可能ですし、スマートフォンの充電であれば約50回もフル充電できます。
出力端子も豊富で、家庭のコンセントと同じAC100Vを3口、USB端子はUSB-AとUSB-Cを合わせて4口を備えています。従来モデルでは使用が制限されていたIHクッキングヒーターや小型ポット、コーヒーメーカーなどの電化製品も使えます。
そのほかシガーソケット端子も装備されているので、DC 12Vで使える車載用製品を直接使えるのも、これまでも車中泊をしてきたユーザーには嬉しいポイントです。
ちなみに本体サイズは幅333×奥行234×高さ244mmなので、自動車のトランクに入れても、かさばりません。下の写真は、プリウスにポータブル電源「BN-RB10」を入れたところです。この大きさならば、キャンプ道具と一緒に持っていけますよね。
まず、使う日の前夜にポータブル電源「BN-RB10」自体の充電を行ないました。付属のACアダプターを家庭用コンセントにつなげれば、残りバッテリーゼロからでも約7.5時間でフル充電できます。車中泊の前夜、寝る前に慌てて思い出しても十分にフル充電できますね。それに、シガーアダプターにも対応しているので、目的地へ移動する間にも、自動車からポータブル電源を充電できます。
さっそく、身近にある家電製品をポータブル電源「BN-RB10」につなげて使ってみることにしました。
まずは、普段使っているリビング扇風機をつないでみました。車中泊の時には、屋外作業をする機会も多いはずです。そんな時に、一般家庭で使っているリビング扇風機は、大活躍してくれるでしょう。バンなどで車中泊する人であれば、リビング扇風機も持っていけるでしょうし、暑い夜でも快適に過ごせます。
リビング扇風機に加えて、小型冷蔵庫をつなげてみました。リビング扇風機だけの時は、出力が36Wでしたが、小型冷蔵庫を加えると約82Wまで出力が上昇しました。まったく問題なく、両機器ともに駆動してくれています。
コーヒーを淹れるのに、またはカップ麺などを作るのに必要なお湯(1L)を、電気ポットで沸かそうとすると、一気に出力が506Wに跳ね上がりました。それでも「BN-RB10」のAC定格出力は1,000Wなので、まだまだ余裕があります。
また沸かしている最中は、消費電力が増えますが、保温の状態になると出力が99Wにまで落ち着きました。
そこで次は、小型炊飯器でご飯(1合)を炊いてみることにしました。お湯と炊飯が電気で手軽に作れれば、車中泊もかなり快適になるでしょう。だって、これをコンロや携帯バーナーなどで行なうとすれば、自動車内では危険です。また、車外で行なうにも雨天時などは特に場所選びなどが面倒です。
炊飯器に米と水を入れて、スイッチを入れます。すると、小型冷蔵庫と電気ポット(保温)と炊飯器の合計出力は、478Wになりました。湯沸かし中の電気ポットよりは、消費電力が少ないようです。
出力は、それほど上がりませんでしたが、タイミングなのでしょうか? ポータブル電源「BN-RB10」の側面から、ファンが駆動する音が聞こえてくるようになりました。とはいえ、幹線道路が近いマンションで、窓を開け放って使っていたからか、それほど気になる音ではありませんでした。静まり返った自然の中で使った場合には、気になるかもしれませんが、筆者はおそらく寝ていても起こされることはないくらいにしか聞こえませんでした。
小型炊飯器も、最初こそ水を沸騰させるのにパワーが必要だったのか、消費電力が上がりましたが、ひと段落すると、出力は85W前後にまで落ち着きました。同時に「BN-RB10」のファンの駆動音もなくなり、先ほどまでのように、近くにいる筆者にも聞こえないほど、ほぼ無音の状態になりました。
そうして省電力の生活家電を中心にして、4時間ほど使ってみました。100%充電されていたポータブル電源本体は、リビング扇風機/小型電気ポット/小型炊飯器/小型冷蔵庫など常時複数台へ給電し、パソコンや4Kビデオカメラ、iPadなどへの充電も行ないました。10年前に購入した32インチの液晶テレビにもつないで、30分ほどニュースを視聴しました。
車中泊を想定すると、リビング扇風機と小型冷蔵庫に常時電力を供給しつつ、炊飯器1回、小型電気ポット2〜3回は使っても、一晩の電力はまかなえそうです。
さらに何泊かを過ごす際にも、日中は移動しながら自動車からポータブル電源を充電したり、ポータブルソーラーパネルを使うこともできます。そう考えると、AC定格出力1,000Wで、容量1,002Whというポータブル電源「BN-RB10」は、車中泊に持っていくべきアイテムとして、非常に頼りになるでしょう。
また、ポータブル電源「BN-RB10」は、正弦波での電力供給が可能です。そのため、消費電力が規定以下であれば、一般的な家電製品も故障などの心配をせずに、安心して使えるんです。
そうした点も合わせて考慮すると、ポータブル電源「BN-RB10」は、普段使いの家電製品を車中泊でも使えるようにする、心強いアイテムだといえます。
最後に、ポータブルソーラーパネル「BH-SP100」についても触れておきます。
ポータブルソーラーパネルは、2つ折りになっているのを、太陽の方向に広げます。あとは背面のポケットに収納されている接続ケーブルを引き出して、ポータブル電源に差すだけ。
ちょうど正午を過ぎた頃からベランダにも陽が差し込みはじめ、ポータブルソーラーパネルからポータブル電源へは、70W前後で安定した給電を行なえていました。
ベランダでは、陽が差すエリアがどんどん移り変わっていくので、15分に一回くらい、陽の光ができるだけポータブルソーラーパネルに当たるように、少しずつ移動して調整しました。
使用したのが西向きのマンションのベランダという、必ずしも太陽光を受けとめるのにベストとは言えない環境でした。それでも常時、約70W(最大100W)の電力を供給してくれました。長期の車中泊の場合は、移動せずに同じ場所に連泊することもあるでしょう。その際は、自動車でバッテリーを充電するよりも、晴れていればソーラーパネルで充電したいものです。電力の自給自足までは無理にしても、車中での快適な電化生活を長期継続するうえで、こちらもかなり役立つアイテムです。
※お使いの使用家電、使用条件により異なります。
※本機を不安定な場所に置かないでください。必ず、平坦で安定した場所に置いて使用してください。
※本機の通風孔は、安全上絶対にふさがないでください。また、本機の各面から5cm以上スペースを空けてください。
※心臓にペースメーカーを装着している方は使用しないでください。ペースメーカーが、本機の影響を受ける恐れがあります。
※本機は防塵・防水仕様ではありませんので、ほこりや水、海水などがかからないように注意してください。また、手がぬれた状態で本機を操作しないでください。降雨時、降雪時、降霜時の使用は、事故や故障の原因となりますので、ご注意ください。
※給電する機器の充電制御や充電状況、環境などにより給電できない、または急速充電にならない場合があります。
フリー編集ライター
河原塚 英信
HIDENOBU KAWARAZUKA
デジタル系トレンド情報誌の編集者を経て、フリーランスの編集ライターへ。
カメラやスマートフォン、ドローン、VRなど、デジタル製品全般とSNSなどのWebサービスに精通。雑誌やWebサイトで執筆中。
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