2022年12月、JVCケンウッドからAC出力1,800W(瞬間最大出力3,600W)、容量1,534Whというハイパフォーマンスモデルのポータブル電源「BN-RB15-C」が発売されました。これまでのラインアップではAC出力1,000W、容量1,002Whの「BN-RB10-C」が最大出力・最大容量でしたが、それをぐんと超えた頼もしいポータブル電源です。いち早くお借りしたので、その使い勝手などをご紹介したいと思います。
ポータブル電源「BN-RB15-C」
ポータブル電源「BN-RB15-C」はハイパフォーマンスモデルをうたうだけあって、AC出力1,800W(瞬間最大出力3,600W)、容量1,534Whという頼もしい一台です。見た目のデザインはパワフルモデルの「BN-RB10-C」を一回り大きくしたようで、親しみがありますが、使ってすぐに「おっ!」と思ったのが、液晶画面の見やすさ・わかりやすさです。大きな液晶画面には、入出力の電力とバッテリー残量が数値で表示され、オレンジのインジケーターで動作環境が示されてとてもわかりやすいのです。
梱包を開けたばかりの状態では、バッテリー残量が42%ほどだったので、まずは付属のACアダプターと電源コードを使って充電します。そこで気づいたのが、「BN-RB15-C」にはDC入力端子が2口あるということ。同梱のACアダプターは1つですが、別売のACアダプター(「BH-AD15」として販売されています)を同時に接続することで、充電時間を約6.5時間から約3.5時間に短縮できるというわけなんですね。充電中は、「3.9H」というようにあとどれくらいで満充電になるかが表示されるのも便利です。
また、ポータブルソーラーパネルでの充電もできますが、新しい要素としてはソーラーパネル用のアダプターをDC入力端子に挿して使うこと。というのも、このソーラーパネル用アダプターにはDC入力端子が2つあって、最大で4枚のポータブルソーラーパネルを同時接続して充電することができるのです。大容量なだけに充電時間がかかるため、効率よく充電できるように、あの手この手の策が講じられているのですね。ちなみにソーラーパネル用アダプターは最初から2個同梱されています。
出力端子は、一般的なコンセント差込口のAC出力端子が3口、USB Type-C、USB Type-A、急速充電対応のUSB Type-A、DC出力のシガーソケットが備えられており、出力1,800W以下であれば、電子レンジやドライヤーなど高出力の家電に給電できます。ACコンセントやUSB端子のそばにあるボタンを押すことで、その端子から給電できる仕組みはこれまでのモデルと同様で、女性でも直感的に操作できると思います。
難点があるとすれば、本体サイズは355×253×265mm(幅×奥行き×高さ)ですが、重さが16kgとかなり重いことでしょうか。日常使いする場合は、基本的には定位置を決めておくのがベストだと思います。
収納ポーチの中には、ACアダプター、電源コード、シガーアダプター、ポータブルソーラーパネル用アダプター2個が入っています
まずは上段左端の「入力端子」にACアダプターを繋いで本体を充電します。
入力端子が2つあるのが新しい!
ポータブルソーラーパネルでの充電時には、ソーラーパネル用のアダプターをDC入力端子に挿して使います (※ポータブルソーラーパネルはイメージとして置いています)
ソーラーパネル用アダプターにもDC入力端子が2つあります
これまでパワフルモデルの「BN-RB10-C」やスタンダードモデルの「「BN-RB62-C」をアトリエで日常使いしてきましたが、使えたらいいなと思っていたのが電気ケトルでした。お茶を淹れたり、カップラーメンで小腹を満たしたりという時など、お湯を必要とするシーンはわりと多いものです。
今回使った電気ケトルの定格消費電力は1,000Wですが、1,200Wを超える電気ケトルも数多くあります。一人暮らしの方などで契約アンペアが小さい場合、忙しい朝に電気ケトルでお湯を沸かしながら、ドライヤーを使ったりするとブレーカーが落ちてしまったりするのはよく聞く出来事ですよね。今回の新モデル「BN-RB15-C」は、出力1,800W以下であれば、電気ケトルのような高出力の家電にも給電できるのがうれしいところです。
カップ1杯(200CC)のお湯を沸かした後で電池残量を確認すると、100%が98%とほんの少ししか減っていなくてびっくり。これなら、どんどんお湯を沸かしても大丈夫。1~2泊程度のキャンプのお供やもしもの備えとしては本当に頼もしい相棒になることでしょう。今度は電子レンジも試してみたいなと思っています。
こちらの電気ケトルの定格消費電力は1,000Wですが、1,200Wを超える電気ケトルも多いです
※記事作成のため、ポータブル電源をテーブルの上に置いて撮影しています
カップ1杯(200CC)のお湯を沸かした後で電池残量を確認すると、100%が98%になっていました
ヘアドライヤーと言えば、高温&大風量での速乾性の高さをウリにしたものが多く、一般的に1200W程度と消費電力の高さでは電気ケトルに匹敵します。でも、アウトドアでドライヤーを使いたいという声は多いそう。この新モデル「BN-RB15-C」では、念願のドライヤーが使えるというのですから魅力的。家の中だって、例えばリビングの片隅にこの新モデル「BN-RB15-C」を置いておいて、テレビを見ながらドライヤーで髪を乾かしたりできたら便利そうです。
自宅で愛用しているドライヤー2台をアトリエに持ってきて、実際に使って試してみました。1台目は光乾燥技術を使って、赤外線のエネルギーで髪の表面の水分の蒸発を的確に促進しながら、大風量で乾燥を加速させるというもの。髪を低温(平均44℃)に保ちながら表面の水分を素早く乾かし、髪内部には潤いをしっかりとキープして静電気の発生も抑制されるので気に入っています。
独自の乾燥方式のため、一般的なドライヤーよりは低消費電力なのも特徴で、定格消費電力は680Wとのこと。とはいえ、これは室温25 ℃(± 3 ℃)で測定した値なので、今回ポータブル電源での使用時に出力表示を確認したところ、799Wという数字になっていました。いつもの使用時間、5~6分使用後の電池残量を確認すると3%減っていただけでさすがです。
2台目のドライヤーはたったの270gという軽さで手が疲れず使いやすい一台。最大風速47m/秒の風が傷みやすい濡れ髪を、内側までムラなくスピーディーに乾かしてくれます。モードもスピード、スカルプ、温冷風が自動でランダムに切り替わるツヤモード、クールダウンモードの4種類。定格消費電力は1000Wですが、スピードモードでは958W、スカルプモードでは391Wと表示されていて、使用モードによってはそんなに電力を使わないようです。最近のドライヤーは速乾性に加え、髪を傷めないことや美髪を叶えることに着眼点を置いているため、低温設計のものが増えてきているのですね。
今回試したのは、美髪&速乾に重点を置いた最新モデルで低温設計ではありましたが、「BN-RB15-C」なら1200Wやそれ以上の高出力のドライヤーでも安心して使えます。日常でも、アウトドアやもしもの時の“非日常”でも使いたい家電をストレスなく使えるのはありがたいことだと改めて感じさせてくれる新モデルです。
ドライヤーが使えるのはうれしいです
※記事作成のため、ポータブル電源をテーブルの上に置いて撮影しています
光ヘアケアドライヤーという名前のとおり、使用中は鏡面がカラフルに光ります
ドライヤー使用時は799Wという出力表示が。一般的なドライヤーよりは低消費電力です。5~6分使用した後に電池残量を確認すると3%減っていました
今年の秋に発売されたばかりのドライヤー。重さがたった270gで軽いのにパワフル!
※記事作成のため、ポータブル電源をテーブルの上に置いて撮影しています
定格消費電力は1000Wですが、スピードモードで使用時に出力を確認すると958Wでした
※画像はBN-RB15-C、BH-SP100A-Hを使っています。
【ポータブル電源について】
※本機の通風孔は、安全上絶対にふさがないでください。また、本機の各面から5cm以上スペースを空けてください。
※心臓にペースメーカーを装着している方は使用しないでください。ペースメーカーが、本機の影響を受ける恐れがあります。
※給電する機器の充電制御や充電状況、環境などにより給電できない、または急速充電にならない場合があります。
【ポータブルソーラーパネルについて】
※ご使用の際は、野外にて太陽の直射日光を受けるように設置してください。
窓際などの屋内では十分な充電ができません。また、蛍光灯での充電はできません。
※太陽光パネル部が影にならないようにしてください。
※太陽光パネル部が汚れてると発電量が低下しますので、軟らかい布で乾拭きしてください。
汚れがひどい時は中性洗剤をつけた布で汚れをふき取ってから乾いた布で拭き取ってください。
【ポータブル電源、ポータブルソーラーパネル共通】
※不安定な場所に置かないでください。必ず、平坦で安定した場所に置いて使用してください。
※防塵・防水仕様ではありませんので、ほこりや水、海水などがかからないように注意してください。
また、手がぬれた状態で本機を操作しないでください。降雨時、降雪時、降霜時の使用は、事故や故障の原因となりますので、ご注意ください。
家電ライフスタイルプロデューサー
神原サリー
SALLY KAMIHARA
新聞社勤務、フリーランスライターを経て独立。
東京・広尾に家電アトリエを構え、家電分野を中心に執筆や商品企画、コンサルティングなどで幅広く活躍。
暮らしの中でどのように役立つかといったライフスタイルをトータルで提案している。テレビ・ラジオなどメディア出演も多数。
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