ポータブル電源というと、台風その他もしもの時の備えとしてや、最近特に人気の高いキャンプなどアウトドアでの使用を思い浮かべることが多いのではないでしょうか。持っていれば安心だけれど、インドア派や女性には何となく縁遠いポータブル電源、実はいつもの暮らしの中で延長コードに代わるコンセントとして、役立つシーンが多いのです。
最新のキッチン家電をはじめとした多数の家電が並ぶ『家電アトリエ』を東京・広尾に構える筆者が、ポータブル電源のデイリーユースという視点から、その便利さをご紹介したいと思います。
ポータブル電源「BN-RB62-C」
このコラムを読まれる方は、女性やポータブル電源初心者も多いことと思いますので、まずはその仕組みや使い方からおさらいすることにしましょう。今回使用した「BN-RB62-C」は、容量626Whのスタンダードモデル。本体重量が約6.5㎏なので女性でも持ち運ぶのが苦になりません。最近の高級炊飯器では5.5合炊きで8㎏程度のものが多いので、それに比べたらコンパクトですし、「これくらい楽々!」という方がほとんどかもしれません。
ちなみにWh(ワットアワー)というのは電力量のこと。1Whは1ワットの仕事率で1時間になされる仕事の量をいい、今回のように蓄電池の蓄電容量にも使われる単位です。このモデルは容量626Whですから、たとえば消費電力が30Wの扇風機なら約17時間も使えるということになります。Wh容量が多いほうが長い間電気を使用できるということですね。
「BN-RB62-C」には、一般的なコンセント差込口のAC出力端子が2口、タイプAのUSB出力端子が3口のほか、シガーソケット用の出力端子があり、スマートフォンやパソコンといったデバイスへの給電はもちろんのこと、500Wまでの家電製品にも使用できます。ACコンセントやUSB端子のそばにあるボタンを押すことで、その端子からの給電できる仕組みで、ディスプレイ部にはバッテリー残量も表示されるのでわかりやすく、女性でも直感的に操作できると思います。
同梱のACアダプターやシガーアダプター。
持ち運びに便利なポーチも付いています
まずは上段左端の「入力端子」にACアダプターを繋いで本体を充電しましょう。
ディスプレイボタンを押すとLEDのバックライトが光って表示が見やすく。どれくらい充電されたか(外部端子につないでいるときには残量が)一目でわかります。
日常使いをするためのおすすめの使い方は、リビングやダイニングの棚などに定位置を作ってしまうこと。アトリエではキッチン家電と一緒にワゴンの棚に並べて置いています。コーヒーメーカーや炊飯器、トースターといった家電製品と並べても違和感のないサイズ感で、アトリエの風景に馴染んでいるところがいいなと思っています。一般のご家庭でもこんなふうに家族で過ごす場所にポータブル電源を置いてみてほしいなと思います。
単なる置き場の確保というだけでなく、ここに新しいコンセントができると考えると便利さもなお一層! 扇風機を使いたいときにも延長コードを使わずにサッと差し込んで使えるので見た目もすっきり、煩わしさもなくなりました。キッチンや身支度する玄関など、コンセントがなかったり、足りなかったりする場所で扇風機を使いたい時には、ポータブル電源を持ち運べばOK。
扇風機はもちろんですが、エアコンの冷気や暖気を部屋中に行きわたらせることで、冷暖房効果が高まるサーキュレータ―使用時にも、延長コード不要のポータブル電源は大活躍するはず。気流を効率的に起こすにはエアコンとの位置関係が大切になりますが、置きたい場所にコンセントがあるとは限らないので、“もう1つの電源”があると本当に助かることでしょう。
アトリエのワゴンに置いてある「BN-RB62-C」
扇風機を使う時にはそのままの位置で便利に使っています。
DCモーター扇風機の場合、消費電力が少ないので中くらいのモードで使用しても10Wという表示が。最弱なら5W程度!
扇風機やサーキュレータ―といった生活家電だけでなく、キッチン家電をデスクやテーブルで使いたいという時にも役立ちます。「BN-RB62-C」は定格出力が500Wあるので、使える家電が思いのほか多く、さまざまなシーンで“もう1つの電源”が活躍できてうれしくなりました。
たとえば、小型のブレンダーを利用してジュースやスムージーを作りたいという時にも、飲みたい場所で作ってすぐに味わうことができます。準備や後片付けが少なくて済むバナナジュースは特におすすめ。1人分でバナナ1本、牛乳200mlの割合なら甘さも程よく、分量もちょうどいいので、朝ごはんやお子さんのおやつにも。
長年愛用している1人用のコーヒーメーカーはコードが短めで電源がすぐとれるキッチンで使うことが多かったのですが、「BN-RB62-C」を使えば仕事用のデスクでもダイニングテーブルでも好きな場所で一息つくことができます。コンパクトなので、コーヒーメーカーと一緒にデスクに置いても邪魔にならないのがいいですよね。
1個だけのゆで卵ができるのが何とも便利で、小腹が空いたときに使っているエッグスチーマーも定格消費電力が100W、調理時間も固ゆで卵で12~13分なので蓄電池の残量を気にしないで使えます。
小型のブレンダーでバナナジュースづくり。
※定格消費電力は250W
1杯分が淹れられるコーヒーメーカーの定格消費電力は220W。デスクで使えるのが便利!
愛用中のエッグスチーマーでゆで卵づくりにも活躍中。
作りながら食べたり、出来立てを楽しめるテーブル調理がここ数年人気を集めています。雑誌などの企画にも度々登場しますが、やっぱり多いのはホットプレートを使ったものですよね。でも、調理中の幸せな料理のにおいを楽しんだり、熱々の出来立てを食べられるという点で試してほしいのが蒸し料理です。小型のフードスチーマーのほか、本物のせいろを家電にしてしまったものもあります。
アトリエにある電気せいろは定格消費電力が480W、点心などの調理時間は15分前後なので問題なく使えます。卓上で蒸したてを食べると、冷凍食品や市販のお惣菜でもご馳走感がありますし、手作りなら格別の味わいに。ほら、思い浮かべてみるだけでも笑顔になるでしょう?
3合炊きくらいの小型の炊飯器も約1回分の炊飯が可能なので、食卓で炊き込みごはんを作るのもおすすめしたい使い方。今回はきのこをたっぷり入れた炊き込みごはんにしましたが、調理中のいい香りと言ったら! これをキッチンだけのものにしておくのはもったいない。食べる場所で作って、出来立てを味わってみてはどうでしょう。キッチン家電をキッチンに閉じ込めずに食べる場所で使うことで、お手伝いをするきっかけにも。いつもより会話も弾みそうです。
こんなふうに日頃からポータブル電源に慣れ親しんでおけば、本体への充電忘れなどの心配もなくなるし、どうやって使うの?という不安もなくなるに違いありません。もしものためにも安心で、日常のあれこれにも便利に使える“ポータブル電源のある暮らし”が広まるといいなと思います。
熱々の出来立てが食べられる卓上用の蒸し器
小型の炊飯器も(写真のものは定格375W)1回分の炊飯なら楽々OK
※画像はBN-RB62-Cを使っています。
※本機を不安定な場所に置かないでください。必ず、平坦で安定した場所に置いて使用してください。
※本機の通風孔は、安全上絶対にふさがないでください。また、本機の各面から5cm以上スペースを空けてください。
※心臓にペースメーカーを装着している方は使用しないでください。ペースメーカーが、本機の影響を受ける恐れがあります。
※本機は防塵・防水仕様ではありませんので、ほこりや水、海水などがかからないように注意してください。また、手がぬれた状態で本機を操作しないでください。降雨時、降雪時、降霜時の使用は、事故や故障の原因となりますので、ご注意ください。
※給電する機器の充電制御や充電状況、環境などにより給電できない、または急速充電にならない場合があります。
家電ライフスタイルプロデューサー
神原サリー
SALLY KAMIHARA
新聞社勤務、フリーランスライターを経て独立。
東京・広尾に家電アトリエを構え、家電分野を中心に執筆や商品企画、コンサルティングなどで幅広く活躍。
暮らしの中でどのように役立つかといったライフスタイルをトータルで提案している。テレビ・ラジオなどメディア出演も多数。
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