ポータブル電源

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ポータブル電源とポータブルソーラーパネルのある暮らしを綴るコラム。14回目となる今回は、ポータブル電源とポータブルソーラーパネルへの素朴な疑問を解決します。

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【読者からの質問に答えます】これでバッチリ!ポータブル電源とポータブルソーラーパネルの選び方&上手な使い方

防災やアウトドアのために使う人が多いポータブル電源ですが、それを日常使いする楽しさ・便利さをご紹介するコラムをお届けしてから1年以上経ちました。多くの方に読んでいただけて感謝の気持ちでいっぱいです。そこで今回は、ポータブル電源やポータブルソーラーパネルについて寄せられた質問に回答すべく、JVCケンウッドの企画の方に取材し、皆さんの“素朴な疑問”にお答えすることにしました。

目次

  1. ポータブル電源とポータブルソーラーパネル、おすすめの組み合わせは?
  2. “電気のちょこっと貯金”の効率がいいのはどの季節?
  3. “電気のちょこっと貯金”中、ポータブル電源はどこに置くのが理想的?
  4. ポータブル電源とポータブルソーラーパネル、寿命はどれくらい?

1.ポータブル電源とポータブルソーラーパネル、おすすめの組み合わせは?

――JVCケンウッドから発売されているポータブル電源は3種類(大容量・スタンダード・コンパクト)、ポータブルソーラーパネルは2種類(BH-SP100-CとBH-SP68-C)ありますが、おすすめの組み合わせはあるのでしょうか? それとも自由に組み合わせてOK?

 

【Answer】

 

互換性を重視した(端子形状が同じで組み合わせを悩まない、別売変換ケーブルが必要ない)商品設計なので、ポータブル電源とソーラーの組み合わせは自由です。ただ、使い勝手を考えるといくつか考慮すべきポイントがあります。

 

大きな容量のポータブル電源を充電するためには、出力が大きいBH-SP100-Cだと速く充電が可能になります。充電スピードは速いほうがよいと感じるかたはこちらで。

 

一方で、サイズが大きいBH-SP100-Cのほうが大きな設置面積を必要とします。広げたまま一日のうち太陽の向きに合わせてパネルの向きを微調整することを考えると、庭やベランダなどの直射日光があたるスペースの広さを考慮して選択するという視点も必要です。

 

◎サリーから一言◎

 

なるほど! 確かにBH-SP100-Cは発電量が大きいのでどんどんポータブル電源の電池残量の数字が上がってうれしくなりますが、陰にならないように向きを微調整しようとすると置き場所に困る場合もあります。ポータブルソーラーパネルをどこに置いて“電気のちょこっと貯金”をするのかを頭に描いて、購入するのがよさそうですね。

 

そしてもう1つ。パネルサイズにかかわらず、ポータブルソーラーパネルを設置するときに気をつけなければならないのが「風」。風の強い日にはパネルの四隅にある固定用の穴を利用するなどして、風にあおられて飛んでいくことのないようにしましょう。

アトリエで愛用中のポータブル電源はこちらの2つ。左がスタンダードモデルの「BN-RB62-C」、右が大容量の「BN-RB10-C」

ポータブルソーラーパネルもBH-SP100-C(写真奥)とBH-SP68-C(写真手前)の2台持ちです

ポータブルソーラーパネルを広げたところ。ベランダに手軽に出しやすいのでBN-RB62-Cで“電気のちょこっと貯金”をすることが多いです

風の強い日には、固定用の穴に荷造り用の紐を通して、倒れたりしないようにしています


2.“電気のちょこっと貯金”の効率がいいのはどの季節?

――ポータブルソーラーパネルの発電量と気温の関係を教えてください。カンカン照りの夏が一番なのでしょうか?

 

【Answer】

 

一般的に外気温は低いほうが発電パフォーマンスは高いです。カタログスペックの基準は「パネル温度25℃」ですが、これは外気温ではありません。発電時は外気温よりパネル温度は高くなりますので、夏場はパネル温度が高温になりやすいです。外気温や日差しの強さ、日照時間等を総合勘案すると5月などの初夏が発電には最適な季節という表現が一般にはわかりやすいかもしれないです。

 

◎サリーから一言◎

 

やっぱり! 外気温が高すぎるのはあまりよくないのですね。アトリエのベランダで“電気のちょこっと貯金”をしていますが、どうも真夏になってから発電量が落ちるような気がしていたのですが、その通りだったとは。

 

ちなみに、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のサイトでは、地点ごとの日射量を調べることができるとのこと。お住いの地域では季節によってどのくらい日射量が違うのか調べてみるのも面白いかもしれませんね。

 

日射量データベース閲覧システム

https://appww2.infoc.nedo.go.jp/appww/index.html


こんなふうにアトリエのベランダで使っていますが、真夏の間は少し発電量が落ちていました

3.“電気のちょこっと貯金”中、ポータブル電源はどこに置くのが理想的?

――ポータブルソーラーパネルで太陽光発電中、ポータブル電源の置き場所は日陰が理想的ですか?

 

【Answer】

 

はい、その通りです。高温になりやすい直射日光下ではなく、日陰の風通しの良い場所に置いて充電することをお勧めします。ポータブル電源やポータブルソーラーパネルは防水・防塵仕様ではありませんので、不意の雨や埃には充分ご注意ください。また通風孔(ファン)を塞がないように設置をしてください。

 

◎サリーから一言◎

 

日頃から直射日光になるべく当たらないように、ポータブルソーラーパネルの裏側に置いたり、少し離れた日陰に置いたりしていたのですが、正しい使い方だったようです。日陰が見つからないようなときには、別売のソーラーパネル用「延長ケーブル」を使うと良さそうです。


ポータブル電源が直射日光に当たらないように、日陰に置くのも上手に使うポイントです

4.ポータブル電源とポータブルソーラーパネル、寿命はどれくらい?

――ポータブル電源とポータブルソーラーパネルの寿命はそれぞれどれくらいでしょうか? どうしたら長持ちしますか? 上手な使い方を教えてください。

 

【Answer1:ポータブル電源】

 

保管状況や使用環境によって幅がでてきますが、充電回数の目安は500回といわれています。ただしこの「500回」、到達すると「ゼロになる(全く使えなくなる)」という意味ではなく、電源のないアウトドアなどで満充電に近い容量をフルに使いたいお客様にとって十分な性能が発揮でなくなるタイミングが、充放電500回と理解いただくのがわかりやすいかもしれません。ちょこちょこ使う使い方であれば、理論上はもう少し長く使える可能性が高いです。

 

また、充電時のバッテリーが空っぽや満充電状態だと負荷がかかるため、寿命をできるだけ長くしたいという観点では、バッテリーに負担がかかりにくい残量帯に配慮し、充電目安は60~80%とアナウンスしています。


たとえば、BN-RB62-C(626Wh)の場合

・購入後、ポータブル電源を満充電にする。

・1回目に50%使う (約310Wh放電) → その後310Wh ポータブル電源に充電する。 

・2回目に30%使う (約186Wh放電) → その後186Wh ポータブル電源に充電する。 

・3回目に20%使う (約124Wh放電) → その後124Wh ポータブル電源に充電する。

これで1サイクル(充放電1回)になります。

(50%+30%+20%=100%使用=充電回数1回)

 

なお、1度に残量ゼロになるまで使い、再度満充電したら、充電回数は1回になります。

バッテリーの残量表示(%)や、小分けに充電した回数などを気にせず、充電できるタイミングでこまめに充電してください。

◎サリーから一言◎

 

ポータブル電源は満充電しておいたとしても、少しずつ自然放電していくため、私のように日常使いをしていない場合でも、半年に1回は残量を確認し、充電をすることが上手な使い方だそうです。

 

そのタイミングを忘れそうで心配だという方には、メールアドレスを登録すれば年に数回「長持ちのコツ」と題し「そろそろセルフチェックのタイミングです。やりかたはこうです。」といった情報をメール配信するサービスもしているそうなので、購入された方はぜひ登録をおすすめします! でも、私としては「ポータブル電源の日常使い」をおすすめしたいですけれども。

 

そうそう、もう1つ、こんな話もしてくださいました。「人が快適だと感じる環境をポータブル電源も好みます。保管や使用時の環境は暑い寒いを避け、高湿度を避けること、充電の方法も絶食や満腹を避け、腹八分で適量食べるのがいいんですよ」とのこと。これはとてもわかりやすいですね!

 

【Answer2:ポータブルソーラーパネル】

 

2枚の板状のパーツにセルと呼ばれる四角い発電部品(受光部の白い枠が部品の枠)を並べ、表面補強のため樹脂コートしたシンプルな3層構造となっていて、BH-SP100-Cであれば32枚のセルが直列につながっています。

 

セルはとても繊細な部品で、ちょっとした衝撃でヒビが入りやすく、ヒビが入ることで電流量の低下を引き起こします。一列に並んでいるため1か所でも性能が落ちると全体の発電効率に影響がでてしまいます。

 

経年劣化は避けられないものの、精密機器として丁寧な取り扱いをしていれば、長く使えるので、寝かせたソーラーの上に別の荷物を積むなど、保管や移動時の不適切な取り扱いには注意していただきたいところです。

 

◎サリーから一言◎

 

目視で確認できないレベルのヒビでも性能に影響が出るとのこと。『ポータブルソーラーパネルは精密機器である』ということを肝に銘じておきたいなと思いました。大切に使えば、10年近く使えるようなのでこれからも“電気のちょこっと貯金”に励みたいと思います!



※画像はBN-RB62-C、BH-SP100-C、BH-SP68-Cを使っています。

 

【ポータブル電源について】

※本機の通風孔は、安全上絶対にふさがないでください。また、本機の各面から5cm以上スペースを空けてください。

※心臓にペースメーカーを装着している方は使用しないでください。ペースメーカーが、本機の影響を受ける恐れがあります。

※給電する機器の充電制御や充電状況、環境などにより給電できない、または急速充電にならない場合があります。

【ポータブルソーラーパネルについて】

※ご使用の際は、野外にて太陽の直射日光を受けるように設置してください。

窓際などの屋内では十分な充電ができません。また、蛍光灯での充電はできません。

※太陽光パネル部が影にならないようにしてください。

※太陽光パネル部が汚れてると発電量が低下しますので、軟らかい布で乾拭きしてください。

 汚れがひどい時は中性洗剤をつけた布で汚れをふき取ってから乾いた布で拭き取ってください。

【ポータブル電源、ポータブルソーラーパネル共通】

※不安定な場所に置かないでください。必ず、平坦で安定した場所に置いて使用してください。

※防塵・防水仕様ではありませんので、ほこりや水、海水などがかからないように注意してください。

また、手がぬれた状態で本機を操作しないでください。降雨時、降雪時、降霜時の使用は、事故や故障の原因となりますので、ご注意ください。

Profile


家電ライフスタイルプロデューサー
神原サリー
SALLY KAMIHARA
新聞社勤務、フリーランスライターを経て独立。
東京・広尾に家電アトリエを構え、家電分野を中心に執筆や商品企画、コンサルティングなどで幅広く活躍。
暮らしの中でどのように役立つかといったライフスタイルをトータルで提案している。テレビ・ラジオなどメディア出演も多数。


JVCポータブル電源が紹介されています。


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