2021 December
見回せばイヤホンの主流はいまや完全ワイヤレス。だって何しろ身軽だから! ですが、ではワイヤード(有線)のイヤホンには、あえて選ぶ理由はもうないのでしょうか?
いいえ、今でもワイヤレスとワイヤードにはそれぞれの強み、それぞれを選ぶ理由があります。
ワイヤレス、特に完全ワイヤレスの最大の魅力は当然、ケーブルが一切ないこと。装着中にケーブルを気にする煩わしさ、しまうときにケーブルを取りまとめる手間、取り出したときにケーブルの絡みをほどく面倒さ、すべてから解放してくれます。
最新の機能が与えられるのもその特長です。
例えばノイズキャンセリング機能は、ワイヤードのイヤホンに搭載することもできますし、実際に搭載している製品もあります。
ですが最新世代の強力なノイズキャンセリングが搭載されるのは最新の完全ワイヤレス。自然な外音取り込み、高度な防水や自分の声だけをクリアに拾ってくれる通話マイクなども、機能面での競争の激しい最新完全ワイヤレスならではの特長となっているのが現状です。
ですから、「ノイキャンで騒音を低減させつつレジでは外音取り込み」「リモート会議での通話クオリティもアップ」といったことも望むなら、選ぶべきは最新の完全ワイヤレスになります。
ではワイヤードイヤホンならではの特長は?
いちばんはやはり、音質面での優位。
ワイヤレスイヤホンでは、音声データを圧縮して、データ量を減らしてのBluetoothワイヤレス伝送が必須。それによって音質のロスが発生してしまいます。対策として様々な高音質コーデックが用意されていますが、それらも音質ロスを低減するのが限界で、完全になくすことはできません。
ワイヤードのイヤホンであれば、そういった問題はそもそも全く関係ありません。とにかく最高の音質!を望むなら有線イヤホンを選択するのが妥当でしょう。サブスクでもハイレゾ配信が開始されてきましたし、それら本来の音質を満喫したいならぜひワイヤードイヤホンを。
完全ワイヤレスイヤホンの音質も、ノウハウの蓄積や最新コーデックの性能のおかげで、特にハイエンド機ではどんどんよくなってきています。多くの方はそれで納得、満足できることでしょう。
ですがだからこそ、「それをさらに超える本当にすごくいい音!を望む音楽ファンのためのこだわりのアイテム」という、有線イヤホンのポジションもさらに際立ってきているのです。
また、言うまでもない点ですが、充電の手間もバッテリー切れの心配もないというのは、使い勝手の面での有線イヤホンの大きな強みですね。イヤホンをそんな頻繁には使わない人が念のためカバンにイヤホンを入れておくなんて場合、いざというときに電池が切れていたりする恐れのない有線イヤホンにしておくのはクレバーな選択と言えます。
ワイヤレス、完全ワイヤレスが魅力的なのはもちろんですが、ワイヤード、有線ならではの魅力も見逃せません。それぞれの特長で選び分けたりその時々で使い分けたりと、スマートにいきたいところです。
高橋敦
Takahashi Atsushi
趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。
趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。
HA-FW1000T
ワイヤレスステレオヘッドセット
オープン価格
「木」の振動板採用『WOODシリーズ』初の完全ワイヤレスイヤホン。ノイズキャンセリング機能。高音質化技術K2テクノロジー搭載の高音質モデル
購入するHA-FW1500
インナーイヤーヘッドホン
“木”ならではの音色にリアルな音像表現と躍動感を加えたプレミアムモデル
購入するもっと見る
閉じる
もっと見る