2021 January
街中や電車内など、周りがうるさい環境でもその騒音を「キャンセル」して静かに音楽を楽しめるようにしてくれる、イヤホンやヘッドホンの「ノイズキャンセリング」機能。最近は比較的に手頃な価格帯の完全ワイヤレスイヤホンにも搭載されるようになってきたので、改めて興味が湧いてきた方もいらっしゃるのでは?
一般的には、ただ「ノイズキャンセリング」とだけ書かれていた場合、それは「アクティブ・ノイズキャンセリング」を指しています。騒音の耳への侵入を防ぐパッシブ・ノイズキャンセリングに対して、それを超えて侵入してきた「騒音を打ち消す」のがアクティブ・ノイズキャンセリングです。
騒音を打ち消すってどういうこと?と難しそうに感じた方もいらっしゃるかと思いますが、理屈は意外と単純だったりします。
「音波」や「周波数」といった言葉にもあるように、音は空気を伝う波のようなもの。その波の押し引きをプラスとマイナスで表すとしたら、「+ー+ー」という波に対して「ー+ー+」という波をぶつけると……波同士がお互いを打ち消して、波、つまり音は両方とも消えるのです!
その理屈で「騒音と逆の波形の音を生成してイヤホンから出すことで騒音を打ち消す機能」がアクティブ・ノイズキャンセリングというわけですね。なお、そのように「波が逆」なことを音響や電気の用語では「逆位相」と言います。
というように理屈はシンプルですが、実際に大きな効果を発揮させるには、周囲の音を捉えるマイクの性能や設置位置から始まり、どの周波数のどういう音を騒音として扱うかといったノウハウ、その騒音に対してリアルタイムかつ正確に逆位相の音を生成する回路の設計などなど、様々な要素を高度に満たし、そのすべてをうまく連動させなければいけません。アクティブ・ノイズキャンセリングは、理屈は簡単だけれど実現は難しい機能なのです。
広い意味では、イヤーピースを押し込んで耳を塞ぐカナル型イヤホン全般が備えている、耳栓のような遮音性能も「ノイズキャンセリング」の一部に含むこともあります。「パッシブ・ノイズキャンセリング」と書かれていたら、それはそういった耳栓的な遮音性能のことです。
ノイズキャンセリングが一万円くらいの、しかも完全ワイヤレスイヤホンに搭載されるようになったのですから、魅力的に映るのも当然ですよね。
高橋敦
Takahashi Atsushi
趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。
趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。
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